2024/08/17 16:08

こんにちは、ペルーアチャマル村の髙橋です。今日は、私が栽培している「ゲイシャ種」について、私自身の経験をもとにお話したいと思います。




ゲイシャ種との出会い

私がゲイシャ種に出会ったのは2014年のことでした。ペルーで知り合った友人から、この特別なコーヒー品種を譲り受けたことがきっかけです。スペシャリティーコーヒーを目指していた私は、この品種が持つ可能性に魅了され、新たに農園「Finca El Placer(喜びの農園)」を立ち上げることを決意しました。

ゲイシャ種は、エチオピアのゲシャ村に由来する品種で、その独特なフローラルな香りと紅茶のような繊細な味わいが特徴です。世界的にはパナマで栽培されたゲイシャ種が広く知られていますが、私はペルーのこの地で、その魅力を最大限に引き出すために挑戦を続けています。


ゲイシャ種の魅力と課題

ゲイシャ種のコーヒーは、その高い品質から市場で高く評価され、通常のコーヒー豆に比べて数倍の価格で取引されることが多いです。この品種をうまく栽培できれば、アチャマル村のコーヒーが注目される可能性が広がります。

しかし、この品種を栽培することは簡単ではありません。まず、ゲイシャ種は非常にデリケートで、特定の気候や土壌条件を必要とします。私が農園を構えているアチャマル村は、標高が高く、涼しい気候が適しているものの、それでも栽培には多くの試行錯誤が必要です。

ゲイシャ種の栽培には、収穫量が少なく、背丈が大きく育つため、収穫効率が悪いという課題があります。また、果肉が少なく、果肉除去の際に種子に傷がつきやすいことも悩みの一つです。これらの問題に対処するためには、まだまだ工夫が必要です。


無農薬栽培へのこだわり

私の農園では、無農薬での栽培を続けています。これもまた簡単なことではありませんが、健康的で環境に優しいコーヒーを提供したいという思いから、あえてこの道を選びました。無農薬栽培は、病害虫の管理が難しく、収穫量にも影響が出ますが、それでも自然な風味を引き出すためには欠かせない要素だと考えています。


日本の皆さんへの至高の一杯

この美味しいゲイシャ種を、ぜひ日本の皆さんに味わっていただきたいという想いから、東京・虎ノ門にある創業100年以上の老舗「松屋珈琲店」さんに焙煎をお願いしています。こだわりのシティローストに仕上げています。

通常、ゲイシャ種は華やかな酸味やフローラルな香りを引き立たせるため、浅煎りのミディアムやハイローストが一般的ですが、私たちは酸味を少し抑え、より上品で奥深い風味を楽しんでいただけるように工夫しました。

シティローストは、その豊かな風味を最大限に引き出すために、少し贅沢な焙煎方法ですが、それにより生まれる味わいは一度体験していただく価値があると信じています。この特別なゲイシャ種を、日本の皆さんへお届けすることを心から願っています。

さらに、この特別なゲイシャ種をより多くの方に楽しんでいただけるよう、私のオンラインショップでは、ゲイシャ種を全体の9割ほど使用した「ゲイシャMIX」という商品を、特別な価格でご提供しています。ゲイシャ種の魅力を多くの方に感じていただければ幸いです。


未来への挑戦

ゲイシャ種の風味は、まだ成長の余地があると信じています。農園での試行錯誤は続きますが、その一つひとつが私にとっては大きな挑戦であり、同時に楽しみでもあります。ゲイシャ種の可能性を最大限に引き出し、より多くの人々にその素晴らしさを届けたいと思っています。

これからも、このアチャマル村での無農薬栽培にこだわり、ゲイシャ種の栽培に挑戦していきます。この特別なコーヒーが、日本の皆さん、そして世界中のコーヒー愛好者に喜ばれることを願って、今日もアチャマル村で作業に励んでいます。


どうぞ、私たちのコーヒーをお楽しみください!